WORDS 卒業生インタビュー

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【17回生】新井 淳次 さん

あらい じゅんじ 荒井齒科醫院 副院長

1980年、埼玉県生まれ。秀明中学校・秀明高等学校を経て、2004年に東京医科歯科大学歯学部を卒業。東京医科歯科大学歯学部附属病院義歯外来専攻 生を経て、2006年同外来医員に就任。2008年より同外来非常勤講師などの勤務をこなすかたわら、荒井齒科醫院(埼玉県飯能市)での診療を開始。現在 は同院・副院長として地域の歯科医療に携わる。

鍛えてもらうつもりで秀明に入学させた両親


実家は1900年から代々続く歯科医院で、私が5代目に当たります。幼稚園卒園時の寄せ書きに将来の夢を「はいしゃ!」と書いてありましたから、物心つくころには歯科医師になるのが当然と考えていたようです。医院の2階が自宅ですから、父の働く姿を見て憧れを抱いていたのかもしれません。
秀明中学校は、両親に勧められて選択しました。ハイレベルな私立中学校は当時から複数存在しましたが、「医療系大学への進学率が高い中高一貫校に入学させたい」と両親は考えたようです。入学して、寮生活に慣れるまでは苦労しました。テレビもマンガもゲームもない毎日。とくにゲームが大好きな子どもでしたので、当初は我慢の連続でした。ただ、4人部屋(当時)で同級生とともに過ごすのは楽しく、毎晩いろいろな話をしていましたね。
母は、私が早生まれで同級生に比べて身体が小さく、少食であることを気にかけていたようです。しかし、秀明で鍛えてもらうつもりで入学させたと後日知りました。

 

arai_02朝から晩まで勉強ひと筋。でも「良い厳しさ」だった


秀明では、医師や歯科医師をめざす人が多く、私とよく似た環境で育った同級生が少なくありませんでした。もともとは医療系の大学をめざしていなかった同級生の中には、周囲に感化されて医師を志すようになった人もいました。
校内には、勉強するための環境が完備されていたため、入学後は私も勉強ひと筋になりました。今振り返ってみても、あのころは本当によく勉強していたと思います。しかし、同級生も私と同じぐらい勉強しているわけですから、それが当然という感覚でした。生活指導も厳しく、よく先生方のお叱りを受けましたが、成長期の子どもが必要とする「良い厳しさ」でした。
母が気にかけていた少食も、規則正しい寮生活のおかげで徐々に改善され、3度の食事はもとより、夜間学習後に出されるパンと牛乳の夜食も完食できるようになりました。また、秀明では男子でも茶道の授業が必修とされていて、礼儀作法を教わります。長時間の正座はつらいですが、出されるお茶菓子が美味しいので、秘かな楽しみだったことを覚えています。厳しい中にも、楽しみや喜びがある寮生活でした。
一番の思い出は、中学3年生で参加したイギリス英語研修です。ヒルダーストンという小さな港町で6週間ホームステイをしながら、専用施設に通いました。高台から望む海がとても美しい町で、初めての海外だった私には見るものすべてが新鮮に映りました。ホストファミリーとの英語でのコミュニケーションはスムーズでしたし、歯学部進学後の英語論文に対してもさほど苦労しなかったのは、独自の英語教育のおかげだったのでしょう。

 

夢は地域の虫歯・歯周病患者をゼロにすることarai_03


歯科医師としての大きな夢は、「地域の虫歯・歯周病患者をゼロにする」こと。実現不可能な夢と言われるかもしれませんが、虫歯や歯周病の知識がない方がまだまだ多いので、まずは啓蒙活動を地道に続けていくべきだと考えています。そのため、初診ではしっかりとしたコンサルティングを実施し、患者さんが納得されるまで何度でも丁寧に説明するように努めています。その一方で、少しでも歯科医院に親しみを持っていただこうと、スタッフ全員が白衣ではなくカラフルなポロシャツを着用するようにしました。また、院内に熱帯魚の水槽を置いたり、心を和ませるインテリアにしたり、子どもたちが進んで通いたくなるような町の歯医者さんをめざしています。実際、診察室に入るだけで泣いていた子どもが、何度も通ううちに通院を楽しみにするようになった例も少なくありません。

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歯科医をめざす息子も母校に入学させたい


秀明で得た一番の財産は、人とのコミュニケーション能力です。12歳で集団生活に飛び込み、人と関わらずには生きていけない環境に身を置いたことは、地域の患者さんと毎日関わる歯科医師になった今も自分に良い影響を与えていると思います。しかも、秀明には全国から生徒が入学してくるので、早い時期から様々な人と接する機会をいただけて視野を広げることにも役立ちました。
同級生とは四六時中ともに過ごすので、本当の家族のようになります。私の場合、一緒にイギリス研修に参加した仲間と今も親しいつきあいが続いています。私には今年3歳になる息子がおり、「ボク、はいしゃになるの」と言っていますので、ぜひ秀明に入学させたいですね。仲間にも同年代の子どもが多いので、「親子2代で同級生になるかもしれないね」という話で盛り上がっています。
私たち卒業生が母校に子どもを入学させたいのは、「秀明なら間違いがない」と思うからです。勉強に対する環境の良さはもちろん、親として信頼ができるの は秀明だと確信しています。勉強も寮生活もすべて「良い厳しさ」であり、一時的に子どもが反抗することがあったとしても、後から振り返れば必ず「厳しくしてもらえて良かった」と思うはずです。私自身がそうでしたし、私の両親の選択も正解だったのだと改めて実感しています。

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イギリス英語研修での記念写真。
放課後は校庭でサッカーを楽しみ、
休日にはロンドンへ日帰り旅行をするなど、
楽しい思い出ばかり。